SNDMは誘電率の定量測定を行うことが可能です。
SNDMは、探針直下の容量変化をLC共振回路の共振周波数の変化として測定をしています。
従って、周波数 ⇔ 容量 ⇔ 誘電率 の関係を求めることで定量測定が可能です。
探針が試料に接触した時の共振周波数と容量の関係は以下の様になります。
一方、探針を球として近似した時の探針直下の容量と誘電率の関係は次の様になります。
つまり、共振周波数と誘電率の関係は、次の式で表されます。
この式中で不明なパラメータは、探針半径 a と浮遊容量 C0なので、予め誘電率が分かっている標準試料を一つ使い、この値を求めます。
実際に定量測定を行った結果です。
カンチレバータイプのSNDMでは若干方法が異なりますが、定量測定可能です。(詳細はJpn. J. Appl. Phys., Vol.41(2002)4961.を参照下さい。)
線形誘電率の定量計測法と同様に、周波数偏移 ⇔ 容量変化 ⇔ 非線形誘電率 の関係を計算することで定量測定を行うことができます。
周波数偏移と容量変化の関係は次の通りです。
容量変化と非線形誘電率の関係は次のように表されます。
よって周波数偏移と非線形誘電率の関係は次のようになります。
非線形誘電率の定量測定結果です。
カンチレバータイプのSNDMも同様の方法を用いて定量測定可能です。