走査型非線形誘電率顕微鏡(SNDM)の分解能

実験によるSNDMの分解能の評価

PbZr1-xTixO3(PZT)のa-cドメインの観測

PZT薄膜のa-c ドメイン境界を計測しました。高分解能にドメイン境界を計測していることが分かります。

PbZr1-xTixO3(PZT)のc-cドメインの観測

こちらはPZT薄膜に分極反転電圧を印加し、その微小エリアをスキャンしたものです。c-cドメイン境界の幅が最小で1.87nmであることが確認され、分解能はそれ以上であるといえます。

PZTのより小さい領域での測定

こちらはPZT薄膜のさらに微小な領域を拡大して計測したものです。SNDMはサブナノメータの分解能を有している事がわかります。

理論計算によるSNDMの分解能の評価

分解能は、試料の誘電率に大きく依存します。

ε=1000の場合、針先半径の約0.01倍の分解能があります。AFMの探針のように、半径10nm程度の場合、0.1ナノメートルの分解能があることになります。

よって、SNDMは原子スケールの分解能を有している可能性が高く、現在実験中です。